平成28年度の主な取り組み

国際化関連

大学の国際化のためのグローバル教育カレッジの活動

 英語による教養教育科目(グローバル科目)を全学の教養教育に正式に導入し、平成27年度の20科目から31科目へ拡充し、延べ612名の履修があった。学生の英語力向上のための授業外英語活動イングリッシュ?トークモンを開始し、年間約520名の学生が参加した。
 学生の海外留学促進のための取組であるIELTS講座を年間2回から4回実施に拡充し85名(昨年度38名)が参加した。
 また、熊本県内初のIELTS団体受験を本学で2回実施し、40名が受験した。た、官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムについては、平成29年度前期(第6期)の募集(平成28年7月~10月)から、本制度に採択され、すでに留学を終えたトビタテ生にも協力を仰ぎ、書面審査及び面接審査対策の体制を整えることで、過去最多の10名が採択された。

海外拠点の増加

h28_image01.jpg(「熊本大学中国校友会」設立式典)

 本学の重点地域であるサブサハラ地域に「熊本大学スーダンオフィス」を設置し、当該地域における本学の海外広報と薬学分野における現地派遣プログラムの実施の準備を整えた。また、国立六大学国際連携機構の枠組みの下で、オランダ?ライデンに「国立六大学欧州事務所」を設置し、オランダをはじめとした欧州全域における本学のプレゼンス向上と、今後の学術?学生交流への足掛かりとした。
 さらに、中国?上海市において、中国人の元留学生を中心に、本学の海外同窓会の一つとなる「熊本大学中国校友会」が設立され、中国における本学同窓生のネットワークを活用した大学の活動を活発化させる体制が整った。

ガバナンス改革関連

熊本大学グローバルアドバイザリーボードの開催

  本事業の外部委員会として、第1回目の「熊本大学グローバルアドバイザリーボード」を平成29年1月27日に開催。海外大学からの外国人委員2名を含む5名の学外委員を迎え、本事業の進捗状況と本学のグローバル化のための課題について意見交換を行うとともに、今後の取組推進に向けて多くの有益な助言を得た。
 また同日、委員会終了後に本事業の「熊大グローバルYouthキャンパス」事業の一環として、外国人委員2名による一般向けの特別セミナーを開催した。セミナーでは、地域の高校生、高校教員、教育関係者、本学の学生?留学生等を対象に、異文化理解、グローバル体験とキャリアの形成等についての講演が行われ、約160名の参加者を集めた。

教育改革関連

熊本大学グローバルリーダーコース(GLC)

h28_image02.jpg(Pre-GOKOH School Programの
様子)

 地域の問題をグローバルな視点で考え、果敢に行動できる人材の獲得のため、アドミッション?オフィス入試により、グローバルリーダーコースの学生48人を選考した。
 その後入学予定者に対し、入学までの5ヶ月間Pre-GOKOH School Program(入学前セミナー)を実施した。本プログラムは入学後のグローバル教育を見据えたもので、本学のe-learningシステムを利用したWeb上での学修と、大学に来て受講するスクーリングを行った。
 また、入学後のカリキュラムであるGOKOH School Programの詳細を策定した。このカリキュラムはグローバルリーダーに必要な能力及び専門基礎力を学ぶ?グローバル学修プログラム?および、グローバルに活躍できる資質能力を身につける?グローバル課外教育プログラム?から構成される。特にグローバルリーダーコースの特色である?グローバル課外教育プログラム?は、授業だけでは修得が難しい国際対話力、情報発信力、創造的知性、リーダーシップの養成を目指している。

大学教育統括管理運営機構の設置

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(大学教育統括管理運営機構の設置)

  入試、全学共通教育、教育評価を統括管理し、大学教育の質の向上および質の保証を確実に実行するための改革?改善を断行する組織として、平成28年6月に「大学教育統括管理運営機構」を設置した。
 大学教育統括管理運営機構において、教養教育の実施体制を再構築するとともに、平成29年度以降の教養教育を教育の質保証の観点から見直しを行い、留学生と日本人学生が共通な言語で学ぶ科目区分「Multidisciplinary Studies」を新設し、外国人教員が中心に担当する英語による授業科目13科目25テーマの開講を決定するなどリベラルアーツを中心とする教養教育に改編した。
 その他、教養教育におけるクォーター制の部分的導入(平成29年度から本格導入)、グローバルリーダーコースにおけるAO入試?入学前教育の実施及び教育プログラムの構築において、先導的な役割を果たし、グローバル化に向けた教育改革を実施した。

大学独自の成果指標と達成目標

熊大グローバルYouthキャンパス事業

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(SSH高校生の英語による
プレゼンテーションに
コメントする留学生)

 熊本県内のSSH指定校の生徒が様々な科学的研究テーマについてポスタープレゼンテーションを行い、熊本大学の留学生が研究方法や結果について英語で質疑応答を行った。また、SGH指定校にも留学生を派遣し、英語論文チェック指導の協力を行った。
 その他、南阿蘇など県内の遠隔地に留学生を派遣し、小中高生を対象とした国際交流事業を実施し、地域のグローバル化に貢献した。
 学内では、夏目漱石の俳句を英語で詠む「Soseki Global Cafe」を開催したほか、「Go Global Seminar」では、高校生のキャリア教育として世界で活躍する人材による講演を行った。
 上記を含め、平成28年度実施した12件のイベントには499名の高校生が参加した。

大学の特性を踏まえた特徴ある取組

国際先端研究拠点の強化

h28_image05.png(海外からの招聘研究者が
学長を表敬訪問)

 平成28年4月、熊本大学の自然科学分野の研究組織を戦略的に統括し、国際先端研究の実施、国際共同研究の推進、自然科学系研究拠点の育成及び再構築、テニュアトラックを基本とする人事制度のもと先導的若手人材の発掘育成、併せて世界トップクラスの研究機関とも連携し、世界一線級の特徴的な研究の伸長と新たな領域の先鋭化、更に部局の枠を超えた融合研究を推進することを目的として熊本大学国際先端科学技術研究機構(IROAST)が設置された。
 今後、国際セミナー?シンポジウム等により世界から一線級の研究者を招聘等の活動を通して自然科学分野の研究力をなお一層強化し、平成27年に設置された国際先端医学研究機構(IRCMS)とともに世界をリードする新たな分野の創出に向けて先導的国際研究拠点を形成することを目指す。

その他の活動

熊本地震発生時の留学生の活動

h28_image06.jpg(震災発生時の
ボランティアによる支援)

 平成28年度熊本地震発生後、一時避難所として、開放された本学の体育館においては、学生ボランティアによる避難所の運営が行われた。留学生もボランティアに参画し、連絡事項の外国語対応等様々な支援を行った。
 また、グローバル教育カレッジオープン教育センターの主催により、留学生が中心となって外国語と日本語レッスンや書道、折り紙、ヨガ、アートセラピー、トルコとポーランドダンス、映画等の様々な活動を提供した。この活動は、被災した本学学生や地域の方々を元気づけたいとの思いから、留学生とグローバル教育カレッジの教員により実施されたものであり、熊本大学の学生のほか、避難されていた地域の方々も多数ご参加をいただき、開催された4日間の参加延べ人数は合計269名であった。