二つの薬の併用で冠動脈プラークを劇的に退縮~心筋梗塞発症予防に向けた新たな治療法~
熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学(小川久雄教授)の辻田賢一講師らは、標準的な脂質低下治療薬「スタチン」と併用してコレステロール吸収阻害薬「エゼチミブ」投与することで、標準的な治療に比べて強力な脂質低下効果と冠動脈プラーク退縮(縮小)効果がみられることを、血管内超音波の解析を用いた臨床試験によって明らかにしました。
冠動脈プラーク(冠動脈の血管内膜に脂質などが沈着した状態)の退縮は、心筋梗塞や狭心症などを抑制する鍵とされており、本成果は、エゼチミブを併用する新規治療戦略が従来のスタチン単独治療法よりも強力な効果がある事を解明しただけでなく、心筋梗塞発症予防に向けた新たな治療法の確立につながるものです。
熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学 辻田賢一講師、小川久雄教授らが、国内17施設との共同研究で行いました。
本研究成果は、文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて、科学雑誌「The Journal of the American College of Cardiology」オンライン版に7月28日(火)に掲載されました。
(URL:
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=2411160&resultClick=1
)
【論文名】
Impact of Dual Lipid Lowering Strategy With Ezetimibe and Atorvastatin on Coronary Plaque Regression in Patients With Percutaneous Coronary Intervention: Insights From Multicenter Randomized Controlled PRECISE-IVUS Trial
【著者名(*責任著者)】
Kenichi Tsujita*, Seigo Sugiyama, Hitoshi Sumida, Hideki Shimomura, Takuro Yamashita, Kenshi Yamanaga, Naohiro Komura, Kenji Sakamoto, Hideki Oka, Koichi Nakao, Sunao Nakamura, Masaharu Ishihara, Kunihiko Matsui, Naritsugu Sakaino, Natsuki Nakamura, Nobuyasu Yamamoto, Shunichi Koide, Toshiyuki Matsumura, Kazuteru Fujimoto, Ryusuke Tsunoda, Yasuhiro Morikami, Koushi Matsuyama, Shuichi Oshima, Koichi Kaikita, Seiji Hokimoto, Hisao Ogawa.
【掲載雑誌】
The Journal of the American College of Cardiology
【詳細】
プレスリリース本文
(PDF 578KB)
大学院生命科学研究部循環器内科学
担当:教授 小川久雄(おがわひさお)
講師 辻田賢一(つじたけんいち)
電話:096-373-5175
e-mail:tsujita※kumamoto-u.ac.jp
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