子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査) 幼児期のビタミンD欠乏による成長障害について
【ポイント】
- 4歳児の約2割にビタミンDの不足または欠乏がみられる。
- 標準的な小児においても、ビタミンD欠乏は身長の伸びを阻害する。
- 冬の屋外活動の減少はビタミンD欠乏の因子である。
【概要説明】
南九州?沖縄ユニットセンター(熊本大学)助教の倉岡将平らの研究チームは、エコチル調査によって得られた約3,600人の血中ビタミンD値と成長率(身長の伸び)のデータについて解析しました。その結果、ビタミンD欠乏子どもでは年間あたりの身長の伸びが0.6cm小さいことが明らかになりました。また、冬における屋外活動ががビタミンD欠乏の因子である可能性が示されました。この結果により、幼児の成長にとって適切な血中や屋外活動の程度が明らかになっていくことが期待されます。
本研究の成果は、令和4年8月13日(日本時間8月14日)付でスイスの学術出版社MDPIから刊行される栄養学分野の学術誌「Nutrients」に公開されました。
※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。
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【論文情報】
論文名 Impaired Height Growth Associated with Vitamin D Deficiency in Young Children from the Japan Environment and Children’s Study
著者名 Shohei Kuraoka1,2, Masako Oda1, Hiroshi Mitsubuchi1,3, Kimitoshi Nakamura1,2, Takahiko Katoh1,4 and the Japan Environment and Children’s Study Group5
1倉岡将平、小田政子、三渕浩、中村公俊、加藤貴彦:熊本大学大学院生命科学研究部附属 エコチル調査南九州?沖縄ユニットセンター
2倉岡将平、中村公俊:熊本大学大学院生命科学研究部 小児科
3三渕浩:熊本大学病院 新生児科
4加藤貴彦:熊本大学大学院生命科学研究部 公衆衛生学
5グループ:エコチル調査運営委員長(研究代表者)、コアセンター長、メディカルサポートセンター代表、各ユニットセンターから構成
掲載誌 Nutrients 2022, 14(16)
DOI: https://doi.org/10.3390/nu14163325 (registering DOI)
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【詳細】 プレスリリース(PDF636KB)
お問い合わせ
熊本大学大学院生命科学研究部
担当:助教 倉岡将平
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E-mail:skuraoka※kuh.kumamoto-u.ac.jp
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